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山口県山口市の建築会社、鴻城土建工業株式会社の公式ブログです。
公共事業から注文住宅まで幅広い事業を営む創業約130年の老舗会社が、現場から最新情報をお届けいたします。学校ってどう作っているんだろう?家の壁の中はどうなっているの?興味のある方はぜひご覧ください。
懐かしい山口県の写真がたくさん載っている公式HPもよろしくお願いします!

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井上公園何遠亭新築工事 5

たいへん遅くなりましたが、井上公園何遠亭の完成の様子をお伝えいたします。
この何遠亭、建物自体はかなり前に出来上がっていたのですが、
その後時期を置いて、漆喰(しっくい)を塗りました。
趣が違うため、漆喰施工前・施工後の様子を合わせてお伝えいたします。

土壁塗りの様子は以前こちらでも紹介いたしましたが、
土壁のままだと、風雨にさらされた場合、傷みが生じやすくなってしまいます。
漆喰は壁の劣化を防ぐ役割をもち、また不燃素材であるため、火災などにも強くなります。
勿論、見た目にも美しいので、古来より日本家屋の壁仕上げ材として重宝されてきました。
土壁の乾燥にはとても時間がかかります。ですから長い時間かけて乾燥させた後に、
今回の漆喰塗りの工事をして、完成という工程をとりました。

こちらが、土壁の状態での仕上がりです。
素朴な色合いが懐かしさを感じます。

ここは、玄関を入った土間の部分です。

建物を後ろから見た外観の様子。
木と瓦と土壁の風合いが素朴です。



こちらが、漆喰を塗り終わった建物です。

真新しい白色が、目にもまぶしく美しいです。
年月を重ねるとまた違った味が出てくるのも、伝統工法の長所のひとつなので、
今後どのように変化していくのかも、楽しみですね。

ところで、入り口の横の丸い飾り窓のある部分は、雨戸を収納する部分です。
カーテンもなく廊下も開け放たれている日本家屋では、
風雨のつよい日や夜には雨戸を閉めて過ごしていたそうです。
そんな、雨戸を閉めた様子がこちらです。


(漆喰塗前の写真です)
開放感がなくなり、少し違った印象を受けます。
そして、障子もすべて開けた様子がこちら。


日本家屋らしい、風と光が吹きぬけやすいつくりになっています。

それでは、少し中の様子を。


左にあるのは床の間です。
かつて実在した何遠亭に実際に床の間があったかどうかは「わからない」そうですが、
旧来通りの日本家屋なら、あるほうが自然な気もします。

照明や消防用設備は、現在の法律に適合するように設置されています。
市民や観光客が利用するための施設なので、トイレなども近代的になっています。

井上公園の休憩所とするという目的があるため、
色んな方に気持ちよく安全に利用してもらえるようにつくられています。

この何遠亭をぜひご利用ください、と言いたいところですが、
残念ながら今は井上公園の全体的な改修のため、利用できなくなっています。
↓山口市HP 井上公園について↓
http://www.city.yamaguchi.lg.jp/cms-sypher/www/section/detail.jsp?id=16805

山口市からのお知らせによると、3月17日以降には利用再開される見通しとのことです。
再開時期の春は、花見と湯田温泉祭りの季節。
観光をされる方にも、ご近所にお住まいの方にも、
うららかな春の日差しのようなあたたかい憩いの場になることを、心より願っております。












 

井上公園何遠亭新築工事 4


前回の予告の通り、何遠亭の壁の工事についてです。

日本の伝統工法の壁といえば、やはり土壁です。
土という材料自体が防音・調温・調湿の機能を兼ね備えているので、
特に断熱材や防湿材を必要としません。
日本には四季があるので、気温や湿度の変化が激しいです。
いかに、冬を暖かくして、乾燥を防ぐか。
いかに、夏を涼しくして、湿気を取り除くか。
よく考えられた工法といえます。

そんな土壁の施工途中の写真がこちら。



奥のほうの壁はすでに、荒壁塗りを施していますが、
手前はまだ塗る前なので、内部の様子が見えますね。
ちょっと近づいて見てみましょう。



竹が格子状に編まれているものが見えます。
これは「竹小舞」といって、ここに土を塗りつけることで壁ができていきます。
反対側から塗られた土が格子の中に入りこんでいるのが見えますね。
この後、手前の面からも土が塗られて(これを裏返し塗りといいます)、
壁の形が出来上がります。



外側から見た様子。
左の壁に見える斜めの木材は、「筋交い」です。
耐震性を上げるためのもので、柱と柱の間に取り付けられます。


さて、ここまできたら、もうすぐ完成ですね!
…と簡単にはいかないのが、この土壁の難しいところ。
土壁づくりの工程は、荒壁→木直し→中塗り…と順に進められ、
仕上塗の工程は、夏前になると聞いています。
棟上げまでは一気に素早く進めていったこの工事ですが、
壁に関してはそうはいきません。

というのが、土壁は乾くまでにかなりの時間がかかるのです。
土の性質上、急に乾かしてしまうとひび割れが起きたりもろくなってしまいます。
この乾燥の期間をしっかり設けることが、良い壁を作るコツ。
気持ちが急いでいても、どうしようもありません。
たまにはゆっくり待つということも、必要なんですね。




ゆっくり…といえば、そう、温泉です!
話は変わりますが、当社施工の湯田温泉観光回遊拠点施設、
「狐の足あと」が3月22日にオープンいたしました!

↓「狐の足あと」公式サイトはこちら↓
http://www.yuda-onsen.jp/
(建物内部を360度見渡せるページなどもあるので、
施工した当社としても大変光栄なサイトです)


皆さま、湯田温泉にお越しの際は是非、
「狐の足あと」で足湯に浸かり、
疲れを癒してくださいね(^▽^)









 

井上公園何遠亭新築工事 3

棟上げも終わり、しばらくして現場の様子を見てみると…。

ちゃんと家の形に見えるものができている!

…よく見ると、まだ柱と屋根だけなんですが、
屋根がかかるとすっかり日本家屋らしく見えますね。

日本古来の屋根材といえば、瓦。
もちろんこの何遠亭も瓦葺きでつくられます。
瓦にも何種類かあるのですが、今回は石州瓦を使用しています。
もともと島根県が原産地なので、山口とはかなり近い。
実在した何遠亭にも使われていたかもしれませんね。


瓦は一枚一枚が重く、まとめて屋根の上まで上げるのが大変です。
かといっていちいち降りて取りにいくわけにもいかないので、
このようなリフトを使います。
部材も人も、落下防止の安全管理が必要な部分です。



場内に、葺く前の瓦も発見しました。
湯田付近の瓦は、黒い瓦が多いのですが、
(山のほうや日本海側に行くと赤い瓦も多く見られます)
これは釉薬で色づけされているため。
もともとは赤土なので、裏は赤い色のままです。
隣に見えるカマボコ形の瓦は鬼瓦ですね。
左右の屋根の合わさった部分(棟)の末端につけるもので、
特に鬼の形をしていなくても、鬼瓦と呼ばるそうですよ。

さて、建物の中に入ってみると、こんな感じです。


屋根に使われている木材のほとんどは杉です。
木目までキレイに見えて、いかにも木造!といった風景。
まだ壁がないので、屋根の間から空が見えていますね。
木材と瓦の間には、ルーフィングというシートを張って、
瓦から木材への雨水の浸透を防いでいます。


こちらは、縁側の部分。
天井を張らないので、このまま仕上げとなる箇所です。
柱と梁をつなぐ金具なども見えていますが、
仕上げの時には見えなくなる位置に取り付けてあります。

昔は、こういった既製品の金具もなかったでしょうから、
木材や鉄板、釘などをうまく使って施工していたのでしょうね。
現在は、金物ひとつとっても、厳格に基準が決められています。
昔の人が見たら、やっぱり驚くかもしれませんね。

屋根ができてきたら、次は壁です。
いよいよ、本格的に建物らしくなってきます。












 

井上公園何遠亭新築工事 2


前回、この写真で終わっていましたが、まずはこの文字のお話から。

昔は、たとえば以前ここに建っていた本物の何遠亭が作られた当時は、
材木はある程度の長さや大きさに揃えられた後は、現場で大工さんが切ったり削ったり、
形や大きさを作り、細かい仕上げをしていました。
ところが現代となっては、色々な技術が向上してきたため、それががらっと変わりました。

まず、輸送技術が発達したので、輸送中に欠損することがとても少なくなりました。
それから、図面や機械加工の精度があがったため、
組み上げる前にきちんとした大きさが作れるようになりました。

そんな事情ですから、今は木材も、現場に運ぶ前に工場で加工します。
これを「プレカット」と言って、現場では組み上げるだけという状態まで作っているんです。
もちろん、細かい加工は現場ですることもありますが、大きな部材はほとんど出来上がっています。
江戸時代の大工さんが見たら、便利になったなぁと驚くでしょうね。

…ということで、写真にある文字は、工場でプレカットされた時につけられた目印です。
どの現場の図面上のどの部分にあたるものなのかを示しています。
今は文字が見えていますが、この上に壁が作られるため、出来上がった時には見えなくなっています。

ところで、もう一か所の、ちょっと気になる黒い部分。

基礎と木材の間に挟まれたこの部材。
実はこれ、床下換気のためのパッキン(基礎パッキン)なんだそうです。
床下換気口があると、そこからひび割れなどが生じ、耐震性などが落ちることがあるため、
こういったパッキンを建物の下全体に噛ませて、通気をよくしているんですね。

…最近の技術ってすごいなぁ、と感心したのですが、
実はこの方法、パッキンではなく木材やモルタルを噛ませた形で、
昔からある「猫土台」と呼ばれる工法に近いものなんだそうです。
さすが、湿気と戦ってきた日本の建築。昔の人の知恵も、スゴイです。

湿気を防ぐ…というと、こちら。

小さな柱状の木材(束といいます)の下に、石が敷いてありますね。
地面と束の間に石をはさむことで、地面からの湿気で束が痛むのを防いでいるのです。
ここは縁側になるのですが…たしかに縁の下というと、こういう造りを思い浮かべますよね。
ちなみに、束に履かせる靴のように見えるので、「沓石(くついし)」といいます。
昔からあるものは、名前も面白いものが多いですね。


本物の何遠亭のあった頃には、基礎も石造りなどが多かったですが、
現在は耐震基準の変更に伴い、コンクリート等を使用するようになっています。
当時と全く同じ工法は不可能なのですが、現在と過去とのいい所を取り入れて、
現在の何遠亭をつくっています。

そして、今も昔も木造建築において変わらないのは、
なるべく木材を湿気にさらさないよう、
早く棟上げをして屋根をかけたいということです。

次回は、この空が内側から見えなくなった後の様子をお伝えしたいと思います。









 

井上公園何遠亭新築工事 1

社長の年頭挨拶にもあった通り、当社は現在、
井上公園何遠亭新築工事を施工しております。
コンクリート造のものが多い公共工事ですが、
この何遠亭は珍しく在来木造建築です。
木造建築ならではの部分や、昔と今との工法の違いを中心に、
お伝えしたいと思います。


…と、その前に、「何遠亭」とは何か、から触れておきますね。
この何遠亭の現場は、湯田温泉駅から湯田温泉街に向かう途中にある、
井上公園という公園の敷地内にあります。
足湯や子供向け遊具もあり、湯田温泉祭りなどのイベント会場としても、
地域の人々や観光客の皆さまに親しまれている公園です。

さて、この公園、以前は高田公園などと呼ばれたりもしていましたが、
「井上公園」という名称になったのには、理由があります。

公園の一番奥にたたずむこの紳士の像、
幕末から明治維新に活躍した井上馨候です。
そう、この井上公園は、井上馨候の生家があった場所なんですね。

そこで出てくるのが今回工事している何遠亭。
八月十八日の政変で公家の三条実美が京都を追放された際に身を寄せた、
井上家の屋敷のはなれが起源です。
歴史の話だけを聞くと、ナンノコトヤラとお思いかもしれませんが、
幕末に活躍した志士たちが出入りし、膝を突き合わせて相談していた建物です。
この場で話し合われていたことが、日本を変えていったのかと思うと、
ちょっとしたロマンを感じませんか?

ちなみに、写真など細かい史料が残っているわけではないので、
全く同じ再現建物ではないそうです。
幸いなことに簡易な間取り図が史料の中に残っていたため、
その間取り図に似せた150年前風の建物…という形になります。

そんな何遠亭の現場ですから、こういった様子。

 

現場のすぐ横に史碑もあり、
植栽や石灯篭もあります。


写真を撮っている時に、
足場の上でカツンという、
小さな音が鳴っていました。
見上げてみるとどうやら、
木からドングリが落ちてきた音のよう。





現場の一角には、
木材加工場も
設けてありました。



写真を撮った頃は、柱が立ち、棟上げまであともう少しというところでした。

木材はキズがついたり日焼けがおこりやすいので、
出来上がりの際に表にでる部分の柱などは、
養生紙を巻き付けたまま施工をします。
よーく見ると、「大安吉日」と書いてあるのが、なんだかカワイイ。

もう少し近づいて見てみると…?

何か文字が書いてありますね。
そして、木材と基礎の間にも、何か見えるような…?
この解説は、また次回に。










 
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